1. 研究室選びの前に   —知っていると必ず役立つこと—

  これまで(3年生まで)求められていたこと
試験に強ければいい事ずくめ   そのためには、
・理解力
・記憶力

さて、社会に出てから必要なことは、
リーダーシップ、行動力、協調性、広い視野 以外で実はとっても重要なこと…それは、
1) 先を読む力
例  コンピュータをつなげるとおもしろそう
→ インターネット        時間・空間を超えた「知」へのアクセス
為替レートを100%読めれば、億万長者にもなれる。

2) 自分だけが持つ能力
      ナンバーワン  そもそもなるのが大変 多くの人がめざすから

オンリーワン   対象設定がやや大変
だけど先を読めれば難しくはない

では、これらの力をつけるには
1) 先を読む力
学習   これまでの流れを理解する

2) 自分だけが持つ能力
学習   斬新な(ユニークな)視点

という訳で、まずは「流れ」をちょっと考えてみましょう。

2.  時代の「流れ」はこれだ

2.1 「社会」に着目すると
長い間、狩猟や農業のように、自然相手の時代が続きました。
後↓に出てくる産業革命によって、
工業化社会
、さらにそれが発達した
高度工業化社会
となります。
そしてコンピュータや通信の発達により、情報化社会となります。
次は知恵社会になるだろうと言われています。知恵社会では、多くの情報から、知識や経験に基づいて賢く処理・判断することが重要になります。

2.2 「価値観」に着目すると
自分が小学生の頃は、大型タンカーや大型航空機(ジャンボジェット)などが開発・製造され、大きなものが良いという風潮でした。
ところが単なる小型カセットテープレコーダともみなせるウォークマンにより、その価値観は何とすべて全く逆になりました。小型化・軽量化が重要となりました。
その後、価値観の視点が変わり、
しいもの アート、デザイン性
び     エンタテインメント
性     デザイン性
造性    新規性、クリエイティビティー
などが着目されるようになりました。例えばiPadは、これら4つの要素をすべて満たしていて、だからこそ広く受け入れられていると考えられます。

2.3 「産業」の移り変り
産業に着目すると、農業→工業→サービス業と変化してきました。
次は、ある文献*によると経験が大きな価値を持つようになると言われています。
これは右図のように誕生日のケーキに例えると、企画会社に誕生日のイベントを任せるというようなことになります。これは経験経済と呼ばれています。
そのためには、ますます人間に近いアプローチが求められるようになります。
*文献: “経験経済(Experimental economy)”
(B・J・パイン、J・H・ギルモア著)

2.4 具体的な「産業」では
日本では戦後、まず復興のため基盤産業となる鉄鋼化学、繊維などが中心でした。
その後、百貨店やスーパーマーケットなどの流通業が伸びました。そして金融(特にバブル期)が注目され、また携帯電話の普及により情報通信が重要になりました。
これからの高齢化社会、環境重視社会においては、感性デザインが重視され、知恵のある情報処理、そしてそのような頭脳を持つロボット頭脳が重要になってくるでしょう。

3. 萩原研の研究テーマ

ロボット頭脳へのアプローチ
萩原研究室では、人間の情報処理に近い技術を総合的に駆使するアプローチをとっています。
ニューラルネットワーク 深層学習をはじめ、現在の人工知能の中心的な技術・アプローチになっています。人間の脳には、140億から1000億もの神経細胞があるといわれています。これらによる情報処理を、人工ニューロンが結合された人工ニューラルネットワークによって模擬します。
ファジィ 人間の主観や勘など、あいまいなものをうまく扱えるように考え出された技術です。
感性工学 コンピュータにはなく人間に特有な感性に焦点を当て、それを工学的に扱うことをめざすものです。
進化コンピュテーション  時間軸に着目し世代交代による進化を扱っているものです。地球ができて45億年。水素、窒素、炭素、酸素などが進化し、生命が芽生え、人間のような生物が出現しました。つまり、進化により「無」から「有」が生じたわけです。この進化の過程の中には新しい画期的な情報処理方式のアイデアがたくさんつまっています。現在は、遺伝的アルゴリズムや免疫的アルゴリズムなどが知られています。

研究室のトップページにもありますように、
ニューラルネットワーク、機械学習、ロボット頭脳、ビッグデータ、ことばの理解、画像理解、感性工学、ファジィ、進化コンピュテーション

などをキーワードとして、以下の情報処理とそれらの統合をめざしています。

1) 視覚情報処理
画像の認識・理解・解釈  視覚情報は人間に多くの情報をもたらします。単なる物体認識、パターン認識ではなく、知識を用いた画像理解、画像解釈をめざしています。
2) 言語情報処理  
ことばの意味理解  
連想、思考、直観、創造、推論、判断などのさまざまな知的な情報処理には言語処理が不可欠です。多くのデジタル化された言語資源を用いて、従来のAI的は自然言語処理ではない、高度で柔軟な言語処理をめざします。
3) 感性情報処理
感性の理解  ここでさらに重要な点!が、人間にのみある感性です。快さ、美しさ、癒し、デザインなどを工学的に扱う研究を行なっています。

4. 萩原研の理想・ほうしん

(まずは、全員の安全と健康
・ 研究室生活も研究も楽しく
・ 楽しくやりがいのあるテーマ、ディスカッションによって選定
・ みんなで協力、パワーアップ

 最終目標:
  社会に出て数年のみならず、40代、50代になってもますます活躍している人材となってほしい!

そのために、
仲間や教員と楽しく、多く話(ディスカッション、雑談)をし、
豊かな発想力と実行力を身につけ、
いろいろな経験(失敗、学会発表などなど)をしよう!
 これまでの教員生活を振り返ってみると、次のような経験則を確信しました。
“優れた成果を出す学生さんとは、コミュニケーションが良くとれた。”
研究にはユニークな発想が大切ですが、その進め方などには経験も大切です。また発想そのものが他愛もない会話によって芽生えたことも少なくありません。自分では大したことないと思っているアイデアが、実は非常に画期的であることもあります。また、経験に基づいたサジェスチョンを受け入れる事ができる かどうかで、その後が大きく変ることがあります。
一緒に考え、時として悩みそして解決策を案出する、(そして学生さんの力や自信がつく。)これが研究上の理想の姿です。

Lab-event

やる気と能力を引き出す
楽しく親身な指導、
ディスカッション (教員目標)

萩原研究室では、博士号取得をめざす
学生さんの希望は大歓迎です。