卒業生・修了生の方々からのメッセージ

堀田 創 さん
卒業・修了 2005年3月卒・2006年9月修士・2008年9月博士課程修了
現在 ネイキッドテクノロジー元CTO
研究は自分の意志を価値に変える作業であり、自身の意志が常に問われます。それを体験することは、社会人になった後の自身の価値を大きく左右させるのだと思います。
萩原研究室の自由な雰囲気と、学生の意志を最大限尊重する指導方針の下で研究を行えたのは、私にとって最高の成長機会でした。またそのような先生、研究室に支えられたからこそ、修士・博士の1.5年短縮修了、未踏ソフトウェア採択、8回の国際会議発表や論文賞等、様々な事柄を成し得えることができました。

ケビン ビンクリー さん
卒業・修了 2008年9月博士課程修了
現在 元FunSocketCTO
I received my bachelor’s at UC Berkeley, my master’s at Stanford University, and most recently, a Ph.D. from Keio University. I have worked at various software companies including: Hewlett Packard, Trantor Systems, Adaptec, and Adobe Systems, Electric Gravity, and Microsoft. I also had the opportunity to found and work for my own company.
Having experienced enough of industry for a while (in the US) , I sought change and to learn more about academia. In 2003, I wrote an e-mail to Professor Hagiwara seeking information about studying at Keio in the Hagiwara laboratory. Having received a quick response and warm welcome, I decided to come to Japan to study soft computing under the direction of Professor Hagiwara. Thanks to Professor Hagiwara, I have learned not only about the elements of soft computing, but also about the fundamentals of academics: researching, presenting, and publishing.
At present, while planning to start a new business, I am grateful of the opportunity to continue my studies of game artificial intelligences and evolutionary computation at the Hagiwara laboratory as a visiting scholar.

野澤 貴 さん
卒業・修了 2006年度卒、2008年度修士課程修了
現在 元株式会社ネイキッドテクノロジー(取締役)、株式会社Origami
修士時代にそれまでの研究テーマを変更し、携帯電話のユーザインタフェースについての研究を新規に始めさせていただきました。
新しい技術をデザインし論理を構築する作業は困難が伴うものですが、先生や先輩の温かいサポートを受けながら”研究”に対する自分なりのスタンスを身につけることが出来ました。
また主軸である研究活動の傍ら、未踏ソフトウェアに採択されるなどの貴重な体験ができたのも、自主的な成長を尊重し、それをサポートしてくださった萩原先生の指導方針によるものだと考えています。

岩片 智 さん
卒業・修了 2002年度卒、2004年度修士課程修了、2006年度博士課程修了
現在 セコム株式会社
修士、博士課程を短縮して無事博士号をいただくことができました。新しい視覚情報処理方式の研究を企業と共同で行いました。研究、海外での論文発表、電気 学会から論文賞受賞など、あっと言う間の学生生活でした。萩原先生には、共同研究の機会を頂いただけでなく、ディスカッション等で研究の指導をして頂きました。特に、行き詰まった時に適切なアドバイスを頂けたことが、博士課程の短縮につながったと思います。
来年から約2年間、会社派遣で海外へ留学する予定ですが、博士号取得は、社内選考や大学院受験でも大変有利に働きました。貴重な機会なので存分に活用しようと思っています。

是永基樹 さん
卒業・修了 1997年度卒、1999年度修士課程修了、2004年度博士課程修了。 2005年スタンフォード大学客員研究員
現在 経済産業省 製造産業局 産業機械課   課長補佐
人工知能と感性工学の接点に興味があり、萩原研を希望しました。みんなで卒論を英語論文にし、全員でアメリカで発表したときのことをよく覚えています。先生はレンタカーで私達をホテルから会場まで何回も送迎して下さったり、アメリカの広大な大学の見学に連れて行って下さいました。
修士課程修了後、経済産業省に入りましたが、通商関係に携わる中で国際的に認められる博士号を取得したくなり先生に相談しました。先生は社会人ドクターに快く歓迎・協力して下さり、2年で博士号取得ができました。
現在は、萩原研でのさまざまな経験を活かし、ロボットが介護・福祉や実生活で役立つよう、ロボットの安全に関する基準やルールの検討や技術開発の支援を行っています。

彌冨 仁 さん
卒業・修了 1997年度卒、1999年度修士課程修了、2003年度博士課程修了
現在 法政大学 准教授
もう11年も前!…のことですが、自分が3年生の時、研究室を選ぶ基準(希望?)として持っていたのは、①興味のある分野であること、②研究室生活が楽しそう、③丁寧に指導してもらえそう、でした。 気がついたら私は、一度の企業への就職を経て博士課程まで萩原研にお世話になったわけですが、先生、先輩、同期、後輩に大変恵まれ、研究室での生活は、結果的にこれらをすべて満たすとても有意義で楽しいものでした。特にM1の時に、研究室の同期6人でアメリカ、サンディエゴへIEEEの国際会議に参加させ てもらった時の、準備の大変さ、会議前の緊張感は今でも思い出されますが、その後の達成感、その過程で得た経験(そして後の長ーいπ週間の周遊)は、今の 自分の力の源になっています。
「楽しく研究できる」は、何にも増して重要なことと今でも強く思います。 萩原先生は学生の自主性を信じ、研究の遂行を温かく見守りつつ任せてくれ、必要な時にはとても丁寧に指導をして下さります。これから研究する皆さん(誰もがそうですが…)には持ってこいの研究室だと思います。この研究室での、様々ないい思い出が今の自分につながっていると思います。
博士課程の先輩が多いこと、研究室から出ている論文が多いことが、研究活動が活発である証しです。楽しく、かつ真剣に自分の力を伸ばしたい人におススメです。研究室選びの前に、是非萩原先生にお話を聞きに行ってみてはいかがでしょうか?

金久保正明 さん
卒業・修了 2003年度博士課程修了
現在 静岡理工科大学 教授
博士課程学生としてお世話になった私が、今でもよく覚えている風景があります。ある日、萩原教授の部屋を尋ね、研究の相談をさせて頂いていた時、ふと横を 見ると、一枚の絵がありました。それは、太古の地球で海水から細胞が誕生する過程を描いたものでした。先生は進化型計算でも様々な業績をお持ちですが、毎 日その絵を眺めて、まださらなる新しい計算原理を模索されておられたのだと思います。
先生について、一番印象に残っているのは、まさにこの「アイデアへの情熱」です。学生の思い付きにも、熱心に耳を傾けておられました。萩原先生は一種の神 通力をお持ちで、学生の可能性を最大限に引き出されます。御蔭様で短期間で博士号を取得出来、論文賞も頂き、教員にもなれました。私にとって挑戦する事の 大切さ、を教わった一年半でもありました。

北嶋啓至 さん
卒業・修了 1995年度卒、1997年度修士課程修了
現在 会社勤務
ニューラルネットワークの研究がやりたくて萩原研究室に入りました。みんなでパワーアップを合言葉に、何と同期ほぼ全員で同じ国際会議(アメリカ)で発表 ということになりました。ところが私は現地で体調を大きく崩してしまいました。でも先生が車で病院に連れて行って下さり、すぐに回復することができ、学会 後の同期での楽しい(視察)旅行を堪能することができました。大変感謝しています。
卒論と修論が両方とも論文誌に掲載され、とても自信になりました。特に修論の査読は社会人になってから戻ってきましたが、先生の指導もあり短期間で掲載の運びとなりました。
修士課程修了後は、NTTデータに入社しました。萩原研には伝統的な方法にとらわれず、常に新しいアイデアにチャレンジしようという雰囲気に溢れています。そんなせいもあったのか、知的財産の仕事は未経験でしたが特許事務所に転職し、その後弁理士試験に合格できました。

宮崎隆之 さん
卒業・修了 1994年度卒、1996年度修士課程修了
現在 (株)日立製作所
【萩原研を選んだ理由・思い出】
新たな可能性を秘めた情報処理技術、というものに惹かれ、萩原研に入れて頂きました。 自由に研究をさせて頂ける楽しい研究室でしたので、その自由度ゆえにテーマを決めるまでが一番の苦労だったように思います。ニューロ・ファジィ・GAなど いろいろな考え方を学ぶ中で、最終的には当時はまだあまり認知されていなかった感性工学の分野に挑戦し、感性を反映するポスター作成支援システム、という テーマに取り組みました。先生と一緒に専門家の方を訪問したり、学会発表でカナダに行かせて頂いたり・・・また、同期には企業との共同研究に取り組んでいる人もいたりなど、色々な貴重な体験もできる研究室だと思います。

【現在の仕事の内容】
お客様のロジスティクス面の課題等を整理して、それを解決するために日立グループ内の技術を結集して、機械・システム・建屋等をトータル提案するエンジニアリングを行なっています。

木ノ内誠 さん
卒業・修了 1993年度卒、1995年度修士課程修了、1998年度博士課程修了
現在 山形大学 准教授(大学院理工学研究科)
音楽を聴くのが大好きで、萩原研では音に関係する研究を行い、大学院ではメロディーを覚えられるニューラルネットワークを考案しました。実は国家公務員I 種(いわゆるキャリア)に合格したのですが、萩原先生の強い勧めもあって、博士課程に進学しました。学位取得後は山形大学に採用されて、現在はバイオ関連の情報解析を中心に研究を続けています。
萩原先生には好きなテーマを選ばせていただき、研究の楽しさを教えていただきました。現在指導している学生にとって、萩原先生のような存在になれればと思っています。

服部元信 さん
卒業・修了 1991年度卒、1993年度修士課程修了、1996年度博士課程修了
現在 山梨大学 准教授
「脳」や「学習」という言葉に大いに興味を抱き、萩原研を志望しました。入室する年から2年間、先生がスタンフォード大学へ留学されるというのに、無理矢理(?)配属をお認め頂きました。当時は今ほどネットワークが発達していませんでしたが、メールやFAXなどで大変こまめで丁寧なご指導を頂き、物理的な距離を感じることは全くありませんでした。当時のやりとりの中でも、卒業研究のアイデアを「すばらしい!」と先生にメールでお誉め頂き、とても嬉しく思ったことは今でもよく覚えています。こうして2年間、米国から通信教育を受けつつ、卒業研究やそれを発展させた成果を国際会議や論文誌へ発表し、とても充実した研究を行うことができました。
修士2年の春に先生が帰国されると、博士課程への進学を強く勧めて頂きました(このこと自体、大変嬉しいことでした)。いろいろと迷いつつ、就職活動も 行っていましたが、自分の興味あることを仕事として行うことができる道に、これに優る魅力はないと感じ、進学を決意しました。博士課程では、金額的に大きな給付の奨学金を3年間頂くことができ、お蔭で経済的には自立することができました。また、帰国された先生からは一層、懇切丁寧なご指導を頂き、大いに研究がはかどりました。こうした先生のご指導の賜として、博士3年生のときには丹羽記念賞という栄誉ある賞を頂き、大変励みになりました。
振り返ると、萩原先生からは、本当の勉強の仕方、研究の仕方はもちろん、人生の歩み方、指導者としての在り方まで、実にたくさんのことをお教え頂いた気が します。どんなにお忙しくても、学生との交流を最優先にされ、いつでも学生の目線で親身になってよろず相談に乗ってくださったその姿勢は、当時の私と、同職にあるいまの私に多大な影響を与えています。
大学での研究は、「何を研究するか」はもちろんですが、「どう研究するか」も同じくらい、あるいはそれ以上に大事なことのように思います。実際、私の同級生でも大学の研究室で行っていたことと同じ内容の仕事をしている人はほとんどいません。ですから研究室では、研究者や技術者としてのものの考え方、問題の発見の仕方や解決への取り組み方、成果の適切な表現の仕方などなどを修得することが特に重要だと思うのです。萩原先生にはこれらを在学中に徹底的にご指導頂き、社会人となったいま、改めて大変感謝している次第です。